新型コロナにより、社会生活に大きな影響を受けた3年間から、5月に感染症の分類が2類から5類に変更されたことにより、ようやく社会生活が徐々に元に戻りつつあるように思います。新規感染者数が以前のように毎日発表されるわけではなく、感染状況は見えにくくなっておりますが、危惧されたような爆発的発生は今のところ見られないようで、人ごみの中でもマスクを付けない方々がかなり目立つようになりました。何はともあれ少しは安心できる状況になってきたことを喜ばしく思うところです。母校は大きな感染、クラスターは発生しておらず、中断していた軽井沢合宿研修も今年度から再開され、コロナ禍以前の教育体制にほぼ戻っております。
私事になりますが、私は非常勤講師として週に数日母校で教えておりましたが、令和5年3月をもってこれを退任致しました。昭和44年から助手時代を経て専任教員、非常勤講師としてトータル54年間中央工学校にお世話になりました。現在は同窓会の総会・役員会や、飛鳥祭、学校で行われる同窓会行事(校舎見学会や支部総会)以外では学校に行く機会がなくなりましたので、非常勤講師時代よりは詳しい状況が把握できにくくなりましたが、知り得る限り大きな問題はなく、母校において教育活動が順調に展開できていることを嬉しく思っています。
専任職員時代に同窓会の再発足に携わって以降、もう35年ほど同窓会の運営に関わっております。折角順調に盛り上がりを見せつつあった同窓会活動が、数年前からのコロナ禍によって大打撃を受け、各種の活動を控えざるを得ない状況に陥りました。ここにきてやっと少しずつ主要な本部主催行事を再開しております。例年5月に開催する総会は、前年に引き続き令和5年も学校を会場としての開催ができました。役員・スタッフを含め約80名の参加を得て、活動報告・決算及び活動計画・予算を審議していただき、それぞれ承認を頂きました。遠くは青森や島根から参加していただき、久しぶりの再会を非常に喜び、あちこちに歓談の輪が広がったことは嬉しい限りでした。以前は総会時に卒業50・40周年記念者を招待して、校舎見学をセットにしていたのですが、令和4年再開時には、三密を避けるために学校見学会は別の機会に実施することに変えた経緯があります。コロナの感染状況もやや下火になったことから、本年度は連携の狭間になっていた30周年記念者に総会参加を案内しました。10名ほどの参加があり、それなりの成果があったと考えております。
令和4年1月末に総会時から切り離した新校舎の見学会を企画したところ、約60名の方から参加のお申し込みをいただきましたが、ちょうどコロナ第6波の時期に重なってしまい、直前に中止せざるを得ませんでした。約1年後の令和5年2月に、前年の参加希望者に加えて、新たに卒業50・40周年を迎えた方々に案内をして、80名強の参加者を得て校舎見学会が実施できました。さらに本年度は時期を変えて6月に校舎見学会を企画し、およそ60名の見学者が訪れてくれました。新校舎が稼働を始めて4年以上が経過しましたが、懐かしくも新しい母校の姿を見たい希望者が一定数いらっしゃいますので、今後もこの企画は続けていきたいと考えています。
令和2・3年の2年間開催見合わせを余儀なくされておりました飛鳥祭が、令和4年から再開されました。さすがに三密を生じる恐れのある模擬店等の“お祭り”要素は控えられ、作品展をメインとした飛鳥祭ではありますが、令和5年は卒業25・15周年の卒業生の皆様に案内を差し上げ、見学に訪れた卒業生もそれなりにおり、在校生にとっても全員で参加する行事が実行できたことは、学生生活の大きな思い出となり大変良かったと感じております。本年度はこれとは別に準会員である在校生に対して、クラスごとに企画して新入生歓迎のイベントが行われ、友人同士の絆を強めクラスの結束が図られました。同窓会もささやかながらこれに支援を行いました。
軽井沢の研修施設見学会も、11月始めに開催できました。令和3・4年は原則宿泊無しで日帰りの見学会で実施しましたが、令和5年は4日5日に掛けて宿泊を伴い、夕食時にゆっくりと懇談できる機会を復活させました。スタッフを含めて20名程の宿泊者に留まりましたが、かつての教え子が参加してくれ、45年振りに懐かしい思い出話に花が咲きました。以前の開催時に比べればだいぶ少ない人数でしたが、このような困難な状況下で、見学会に参加していただきました皆様方に深く感謝申し上げます。
会長に就任して以降、全国各地の支部の会合には、時間の許す限り参加して参りました。令和2年2・3月に青森における二つの支部の総会に出席して以降、2年以上支部の会合が取り止めとなっておりましたが、令和4年6月に埼玉支部の総会・懇親会が開催され、旧知の方々と久し振りに顔を合わせる機会に恵まれました。令和5年も埼玉の支部総会が開催されたほか、空手の拳士会の支部総会・懇親会も令和4年に続き8月に、さらにワンゲル部OBの支部総会も令和4・5年のそれぞれ11月に王子で開催されました。新潟の妻有飛鳥会の総会も3月に3年ぶりの開催を果たしています。機械系の模型オタクの支部である匠の会も飛鳥祭時に総会を実施しています。
このように、令和4年くらいから本部・支部共に、手探りの助走状態で活動を再開しつつありますが、今後は思い切って踏切る状態に移行して、同窓会活動を盛り上げていきたいと考えております。同窓会活動は継続性が重要ですので、コロナ禍以前に定期的に総会を開催されていた他の支部につきましても、そろそろ総会・懇親会の開催をぜひご検討いただきますようお願いいたします。本部も全力でサポートいたしますし、参加させていただいて皆様と胸襟を開いてお話しできますことを強く願っております。
令和5年3月の卒業生を加えて、卒業生総数は111,034名となりました。114年の校歴の中で、物故された方も当然たくさんいらっしゃいますが、同窓会では現在約7万名弱の住所が把握できております。新たな会員を迎えつつ、自分の住む地域で同窓会を開催したい、支部を設立したいという希望があれば、遠慮なくご相談ください。
同窓会の活性化は、ひとえに会員の方々のご協力に掛かっております。伝統ある専門学校中央工学校の益々の発展に同窓会が寄与することができますように、会員と役員の皆様方のご協力を今後ともよろしくお願いいたします。
会長 春日 泰